そもそもエフェクターって何?
エフェクターとはエレキギターとの間に繋いで、サウンドに効果を付け加える機材(装置)です。エレキギターとアンプだけでも音は出ますがそれだけでは自分の好みの音が出るとは限りません。より変化にとんだをサウンドを追求するならばエフェクターは必ず必要となります。
エフェクターの種類については、主に歪み系と空間系に大別することができます。どちらもたくさんのメーカーから種類がたくさん販売されています。エフェクターはたいへん便利ですが注意点もいくつかあります。初心者のうちにエフェクターを使いすぎてしまうと、本来の実力がごまかされてしまい上達したと錯覚してしまうことがあります。普段の練習はなるべくエフェクターを使わないクリアトーンで練習するのも上達の秘訣です。
ちなみに初心者なのでどのエフェクターを買ったら良いのかわからないか分からないという場合は、とりあえずマルチエフェクターを購入するのをおススメしておきます。
エフェクターの種類
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■ディストレーション/オーバードライブ
ディストレーション、オーバードライブは音を歪ませるエフェクターです。マーシャルアンプなどのチューブアンプ特有の歪みを再現するためにつくられました。自宅でアンプを大音量で鳴らすのは難しいですが、これらの『歪み系』のエフェクターがあれば小音量でもきっちり歪んでくれます。ただしこれらはチューブアンプの歪みを狙った意図的に歪められた音なので、実際にアンプで鳴らした方がよりリアルな音なのは言うまでもありません。ディストレーションとオーバードライブの音の違いについてですが、ディストレーションは「鋭くエッジにかかった歪み系」で、オーバードライブは「甘い歪み系」と大別されています。 |
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■ディレイ
ディレイは音を遅らせるエフェクターです。音を遅らせることで音に奥行き感や厚みを与えることを目的としています。ディレイタイムを20ms~40msくらいに設定することで、2本のギターでプレイしているかのような効果が得られます。ディレイは空間系のエフェクターの代表で、全てのジャンルの音楽で使われるエフェクターのスタンダードといえます。 |
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■リヴァーブ
リヴァーブも空間系のエフェクターです。リヴァーブは部屋の残響音をシミュレートするエフェクターです。リヴァーブをかけてギターを弾くことでホールやライブハウスの響きを再現してくれます。ディレイとならびよく使われるエフェクターです。ギターアンプにもリヴァーブ機能が搭載されているのが売られています。 |
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■コーラス
コーラスは原音とわずかに遅れた音を変調させたものをミックスさせるエフェクターです。文字にするとややこしいですが、空間系のエフェクターでディレイとは違った軽く爽やかな響きになるのが特徴です。サウンドに厚みを持たせるというよりはサウンドを浮き立たせるのに使用するエフェクターです。 |
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■フランジャー
フランジャーは空関係のエフェクターの中でも『ウネリ系』に属します。音を意図的にうねらせる時に使用します。原理はコーラスと同じでわずかに遅れた音を変調させたものを原音とミックスさせるエフェクターです。ただしコーラスと違い変調が強く、うねりがより強力にしています。これも一昔前はボーカルでも使われていることがあります。一曲全体でフランジャーをかけることはまずありませんので、かなり限定された使い方にはなります。インパクトは強いエフェクターです。 |
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■ワウワウ
ワウワウも『空間うねり系』のエフェクターとなります。ある周波数を強調する事でギターのサウンドに『ワウワウ』と話し声のようなニュアンスを付け加えるエフェクターです。おもにソウルやファンクミュージックでよく使われているエフェクターです。自動操作で勝手にワウが鳴るのをオートワウ、足で踏んで操作するワウペダルがあります。ステージやライブではワウペダルがよく使われています。 |
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■コンプレッサー/リミッター
コンプレッサーやリミッターは音量を圧縮して音量差を均一に揃えるエフェクターです。コンプレッサーもリミッターも基本的な原理は同じなのですが、リミッターはコンプレッサーよりも圧縮比率がより高くなっており、大音量のアンプやスピーカーからの過大入力を保護する目的に使われています。つまりリミッターは一定以上の音量をカットしたい場合に使用します。コンプレッサーは音量の変化を縮小させるエフェクターで、大きい音量は小さなボリュームになり、小さな音量は規定値まで増幅します。使い方次第では音にアタック感が生まれ、サスティーンが伸びます。どちらも使いすぎると効果が裏目に出てしまうエフェクターなので注意が必要です。 |
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■イコライザー
アンプのトーンコントロール機能と同じですがより緻密に音を変えたい場合に使用します。低音をもっと増やしたい、低音をカットして高音をもっと際立たしたい場合などに重宝するエフェクターです。イコライザーが上手に使えるようになると、自分好みのサウンドが作れるようになります。楽曲の完コピを目指している人や、こだわりある人向けのエフェクターですので初心者の人が無理に購入する必要のないエフェクターかもしれません。 |
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■マルチエフェクター
マルチエフェクターはいろんなエフェクターが1台に集約したもの機材です。早い話がなんでも詰まったエフェクターで、これ一台あれば練習や宅録では十分ともいえます。一昔前までは単品エフェクターに比べると音がモノ足りなく「よく出来たおもちゃ」くらいの扱いをされていました。しかし最近のマルチエフェクターはかなりレベルアップしています。ライブやステージでプレイするとなると単品エフェクターの方が取り回しが楽ですが、個人的な練習であればマルチエフェクターはかんり効率的な機材といえます。 |
エフェクター接続のルールについて
■実はルールは特に存在しない?
エフェクターの接続には絶対のルールというのは存在しません。しかし一応の原則として周波数特性を変えるエフェクター(イコライザーやワウペダルなど)は一番最初に繋げるようにしましょう。そして次にコンプレッサーやディストレーションなどの歪み系を接続します。最後はディレイやリバーブといった空間系のエフェクターを置くというのが一般的に多い繋げ方です。
ギター
↓
周波数特性を変えるエフェクター
↓
歪ませ系
↓
ディレイ系
↓
アンプ
といった具合になります。あくまでも絶対的なものではないので、いろいろと試してみるのも面白いかもしれません。
エフェクターのNG的な使い方についての説明ですが、基本的に同系統のエフェクターを重複して使うのは良くありません。もし使う場合はメーターをかなり意識して調節する必要がありますからです。
エフェクターは便利だけど使いすぎには注意が必要!